2010.10.20(wed) ~ 2010.10.30(sat)
11:00〜19:00
西村　文子　版画展

大都市　ニューヨーク 東京の街を題材にして、リトグラフを制作しています。
大都市はアクティブで、個性的な建造物も魅力。無機質になりがちな街並に樹木を添え、ほとんどモノクロの中に僅かに淡い色入れています。 石版画の制作を23年続けていますが、丁寧に描き込みに時間をかけて、年間5〜6作品を仕上げる。現在までの総作品数86点がやっとそろった感じです。 今回で個展は3回目、最新作を含め15点を展示致します。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西村文子

ここ数年西村さんの制作の充実振りには目を見張るものがあります。
世田谷区立美術館での美術大学講座の講師として受講生の西村さんと出会い、四分の一世紀の時が流れました。第1作から今日まで、全ての作品の刷り師として共に歩んできたのですが、正直なところ、一主婦がここまでの作家へと成長するなどとは、想像もしませんでした。階段を一段ずつ昇るように対象に踏み込んできた観察眼の成長が、現在の彼女の作品の強さとなっており、これ以上は無いという誠実な制作姿勢は、そのまま作品の品格ともなっていることを拝見する時、彼女の中では「絵を描く事は、生きることとイコールなのだ」ということを改めて知らされるのです。
刷り師尾崎は脱帽なのです。

プリントハウスOM 主宰　尾崎正志